取り付け金具販売強化 産業向けソーラーでカナメ
金属屋根製造・施工のカナメ(宇都宮市平出工業団地、吉原正博社長)は、工場など形状が特殊な屋根に太陽光発電パネルを取り付けるための金具「ソーラーグリップ」の販売を強化している。実際に製品を使って自社施設の屋根にパネルを設置し、太陽光発電事業にも乗り出した。同社は「耐久性や施工性など、屋根専門メーカーとしてのノウハウを生かした金具を実例でアピールしたい」としている。
同社は2009年、屋根に穴を開けずにパネルを設置できるPVグリップ工法を開発、専用の取り付け金具の販売を始めた。本年度は産業向け製品をラインアップ化し、昨年7月に始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を追い風に、月1億円の受注を目標に掲げている。
工場の屋根は、金属板を折り曲げ重ね合わせたハゼ折板が使用されるなど、平らでないことが多い。製品の一つ「フラットグリップ金具」は、パネルを固定する部分が可動する首振り機能付きで、「ハゼが傾いていても水平に取り付けることができる」(同社)。
ハゼに固定する部分にはアルミメッキを施したステンレスを使い、さびや塩害に対する耐食性能を高めた。また、金具自体に導通機能を備えており、漏電対策として必要なパネル間のアース配線を簡略化できる。
同金具を使い那須工場(大田原市)にパネル約850枚を取り付けたほか、本社研修棟や福島県内の喜多方工場など形状の違う屋根を活用して発電事業を開始。計5カ所の年間発電量は34万4423キロワット。3月までに全施設で発電を始め、全量を電力会社に売電する。
https://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/economics/news/20130116/960093