太陽光発電に興味ある人が3人に2人。屋根貸しビジネスにも注目が集まる

2013年02月21日 06:00

太陽光エネルギーPR事務局のプレスリリースによると、太陽光発電システムに興味・関心のある人が3人に2人以上と、関心が高いことが分かった。調査結果および太陽光発電の最新の動向についてまとめてみよう。

■66.8%が太陽光発電に興味あり。知りたいことは具体的な経済的効果

まず、全国の男女1万6852人に行った調査結果を見ると、太陽光発電システムについて、「興味・関心がある」と答えたのは66.8%(「導入を検討している」「導入検討はしていないが非常に興味・関心がある」「少し興味・関心がある」の合計)と、太陽光に対する期待や関心の高さがうかがえる結果となった。

さらに、太陽光発電システムに「興味・関心がある」と答えたなかの1500人に対して、「今後、太陽光発電システムを導入検討するとしたら、どのようなことが知りたいと思いますか?」と聞いたところ、「元が取れる年数(68.9%)」、「年間で節約できる電気代(66.1%)」、「余った電力を電力会社が買い取る売電制度(63.3%)」、「導入に際しての国や自治体の補助金制度(54.4%)」などのポイントが高く、設置に関する投資費用をいかに回収できるかといった経済的な効果に関する情報ニーズが高いことも分かった。

出典/太陽光エネルギーPR事務局プレスリリースより転載

■太陽光発電の普及促進を支える、買取制度と補助金

東日本大震災を契機に、太陽光発電をはじめとする自然エネルギーへの関心が高まっている。これまでは、太陽光発電システムなどの設備を導入する費用が高いため、導入費用を回収するのに相当の年数を要すると言われていた。しかし最近では、政府が自然エネルギーによる電力供給を重視しているため、買取制度や補助金などで後押しをしている。こうした制度を併用すれば、10年程度で導入費用を回収できるようになると言われている。

買取制度については、2009年11月から「太陽光発電の余剰電力買取制度」が設けられていたが、2012年7月から新たに「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が始まった。これは、再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電された電気を、一定価格で電気事業者が買い取ることを義務付ける制度だ。2012年7月から2013年3月までの買取価格は、太陽光発電が最も高く、1kWh当たり34円~42円となっている。ただし、買取価格や期間は、「調達価格等算定委員会」の意見を聴いて年度ごとに見直しが行われることになっている。2013年度については、太陽光発電の導入費用が下がっていることなどを受けて、買取価格を30円台まで引き下げることが検討されている。

●現行の買取価格

suumoジャーナル

補助金については、現在、太陽光発電普及拡大センター(J-PEC)で「平成24年度 住宅用太陽光発電導入支援補助金」が設けられており、1kW当たりの補助金単価は3.0~3.5万円となっている。このほか、各自治体で補助金制度を設けている場合もあり、併用が可能だ。ただし、年度ごとの予算によって制度の有無や内容が異なる点に注意したい。

■太陽光の屋根貸しという手法も注目されている

こうした背景を受けて、住宅業界も積極的に太陽光発電システムの設置を推進している。ハウスメーカーなどでは、一戸建ての太陽光発電システム搭載の商品をラインナップしているほか、新築マンションでも大規模マンションを中心に太陽光発電システムを搭載し、マンションの共用部や各戸の専有部で使用したり売電したりできるものが増えつつある。もちろん、既存の住宅に太陽光発電システムを設置するリフォームも強化しており、2月1日からミサワホームのホームページでは、航空写真を利用して発電量をシミュレーションする「ソーラー設置診断」サイトを開設したほどだ。

一方、再生可能エネルギーの利用を推進している東京都では、電気事業者が新たに太陽光発電施設を設置する広大な場所の確保が難しいことから、既存建築物の屋根を有効活用する「屋根貸しビジネス」を推進している。発電事業者が屋根を借りて太陽光発電を設置し、建物所有者は屋根の賃料を得る「屋根貸しビジネス」は、双方にメリットがあることから、東京都は「マッチング事業」として、まず発電事業者を募集したうえで、屋根の貸し出しを希望する屋根の所有者を募集(2013年2月中まで)し、双方をマッチングしようとしている。ほかに、神奈川県でも同様の事業を行っている。
民間事業者でも、屋根貸しビジネスに注目している。レオパレス21では、2月12日に「屋根借り太陽光発電事業」を全国展開すると発表した。同社が管理するアパート所有者の屋根を借りて、太陽光発電システムを設置し、発電事業者となる特別目的会社(SPC)を用いて電力会社に売電するもの。

このように、太陽光発電については新たなビジネスモデルも登場し、ますます注目が高まっている。

 

https://suumo.jp/journal/2013/02/20/38313/?vos=nsuusbsp20111206001