太陽光発電システム導入者はコストや発電量には関心大だがトラブル事例には関心薄
太陽光発電システムがエコで経済的なこれからのエネルギーライフに欠かせないことは、すでに多くの人に知られるようになったが、その一方で、まだあまり知られていない事実もたくさんある。正しい知識をもって、それぞれの住まいあった太陽光発電システムを選ぶことが、豊かなエネルギーライフにつながるのではないだろうか。太陽光エネルギーPR事務局は太陽光発電に関する消費者調査を実施。太陽光発電システムを購入したことがある男女1,270人に、購入時にどんなことを調べたか聞いたところ、「導入に掛かる費用(54.6%)」、「商品価格(52.0%)」、「発電される電力量(50.6%)」など、主に初期コストや回収コスト(発電量)に関係することに回答が集中した。また一部の報道では、ずさんな施工による設置後のトラブルや、強引な販売方法によるトラブルなどが消費生活センターに数多く寄せられていると言われる太陽光発電システムですが、購入時に、「設置・施工方法(24.3%)」、「アフターサービスの内容(23.3%)」、「実際にあったトラブルなど注意しなければならないこと(8.9%)」を調べたという人は、前述のコストに関係することを調べたという人に比べて圧倒的に少ないことが調査の結果からわかった。
これについて、住宅リフォームコンサルタントで一級建築士の尾間 紫さんは、以下のようにコメントしている。
■消費生活センターへの太陽光発電に関する相談件数が急増。施工後のトラブルに関する相談も !
太陽光発電システムの急激な普及に比例して、消費生活センターに寄せられる相談件数も急増しています。なかには、「現地調査が不十分なのにもかかわらず、過剰なデータを提示されて勧誘された」、「雨漏りがした」など、訪問販売の業者の信用性に関する相談や施工後に起こったトラブルに関する相談なども増えているそうです。
太陽光発電システムはオーダーメイドシステムといわれ、最適なシステムやそれにかかる費用、設置方法なども、その家の屋根の形状や日照条件などによって大きく異なります。
我が家の屋根の形や状況に合わせて、最適なプランや工法が選べるようになっているかどうかも、しっかりチェックしておく必要があります。そのためにも、導入の際には徹底した現地調査が絶対に必要です。また、失敗しないためには、複数の会社から話を聞くことも大切です。
ここ数年、太陽光発電の急激な普及により、新規参入が多くなっている反面、長く続かず、早期に撤退するところも多く見られます。太陽光発電システムはこれから長期間使用し続ける生産財。メーカー自体の信頼性も、重視したいものです。メーカーの中には「登録施工店制度」という制度を採用し、自社製品の正しい取り付け方法を施工会社などの社員に研修し、認定証を与えることで、高品質な工事ができる仕組みを構築しているところもあります。
今後、太陽光発電システムを選ぶ際には、ただ単に「安い」というだけでなく、そのメーカーの取り組みや、実績、信頼性などを見極めることが、ますます重要になってくることでしょう。
■付けた後の安心は、スペックだけでは計れない !
太陽光発電システムを選ぶ際、注意すべき3つのポイントは、ズバリ、1.現地調査 2.施工品質 3.信頼性。太陽光発電システム選びには、スペックやコストだけでは計れない大切なポイントがあります。1つめのポイントは、前述のとおり、「現地調査」をしっかりしてくれる販売店を選ぶことです。屋根の状況は住まいによって千差万別ですから、日照条件の調査を含む現地調査を十分に行わずに導入してしまうと、コスト回収計画に必要な発電量を得られなくなってしまいます。
2つめのポイントは、「施工品質」が高いことです。太陽光発電システムは屋根の上に設置します。いい加減な施工によって、その重量が屋根に過度な負担を与え、家自体に悪影響を及ぼしたという話や、台風などでパネルが剥がれ落ちたという話も実際に耳にします。
このようなトラブルを防ぐためにも、屋根や躯体(家全体)のことを熟知し、そのうえで、技術に優れた施工会社を紹介できる販売店を選ぶことが大切です。
また、国内メーカーの中には、屋根や躯体(家全体)のことに、もともと強いというメーカーもありますし、前述のように施工会社に研修を受講することを義務付け、太陽光発電システムのことだけでなく、屋根や躯体(家全体)のことを含む一定以上の知識や技能を取得した人だけに施工を許可する「登録施工店」の認定制度を設けているところもあります。施工上の問題は素人には見極めが難しく、完成後数年してからトラブルが表面化することもよくありますが、この制度ならより安心できるといえます。また屋根を軽量化したい場合には、瓦とモジュールパネルが一体化した商品もあるなど、最近の太陽光パネルは様々な屋根に対応できるようなものが出ています。
さらに、3つめのポイントは、「信頼性」です。信頼できる施工会社に依頼することももちろんですが、やはりこれも前述のとおり、この先10年以上付き合っていくことを考えて、しっかりと見極めたいものです。
■太陽光発電システムを選ぶ際、スペック以外に注意すべき3つのポイント
1. 現地調査を徹底的にやってくれるか
2. 販売店の施工についての品質は高いか
3. 信頼のおけるメーカーの製品か
<調査概要>
実施時期 :2012年3月
実施形態 :オンライン調査
調査主体:パナソニック株式会社
調査対象:太陽光発電システムを購入したことがある全国の男女1,270人
https://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130222-00000305-dime-bus_all