県内初、牛舎でメガソーラー |下野新聞「SOON」
2013年02月25日 08:38
【市貝】刈生田のジェイイーティファームと栃木ファーム(篠田教雄社長)は4月から栃木、大谷津両牧場で牛舎屋根を利用した大規模太陽光発電所(メガソーラー)を稼働させる。最大出力は計約2300キロワットを超え、年間約9千万円の売電収入を見込む。牧畜業でのメガソーラーは県内初だという。
ジェイイーティファームは主力の栃木牧場で子牛を含む計約3300頭の乳牛の搾乳と繁殖、哺育育成を行っている。栃木ファームは主力の大谷津牧場で約2100頭の肉牛の肥育と堆肥製造を行っている。昼夜を問わず定期的に行う搾乳や子牛への哺乳、給水、保温、冷却など作業のほとんどが機械化され電力は生命線だ。
両牧場で現在設置中の太陽光パネル(縦1・0メートル×横1・67メートル)は、大谷津牧場が牛舎屋根約1万6000平方メートルの全面に7616枚。栃木牧場は牛舎屋根の一部などに2240枚。計約1万枚のパネルで屋上タイプで県内最大級の出力約2300キロワット、年間約228万キロワットの発電量を見込む。3月下旬には完工し4月から稼働の予定。
今回、大震災を教訓に、今後も起こりうる不安定な電力供給、給油事情への対応を考え、太陽光発電を導入する。発電量は、二つの牧場全体の総需要の約4割に相当するが、蓄電設備の開発など課題も残り自家消費までには至っていない。篠田社長は、法に基づき20年間全量売電するが「自家消費できる将来に向けて安心の仕組み作りをスタートさせた」と話している。
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