製造段階の波及効果 太陽光発電システムは - 経済社会総合研究所
太陽光発電システムは、太陽電池メーカーを核に多くの産業と係わりながら一つの産業
を確立しているため、太陽光発電の普及は多くの産業への波及効果が大きい。住宅用シス
テムの普及が進み、太陽光発電システムを標準装備した住宅を販売するハウスメーカーも
増えてくるなど、産業の幅が広がっている。
本調査では、これらの波及効果を定量的かつ視覚的に表現するため、産業連関表を活用
している。表 2-10 のように、太陽光発電システムの本体および主要構成部品・材料を「中
間需要」欄の産業(列部門)の中に位置付け、投入係数の大きさで該当する産業部門(ま
たは製品)へのインパクト強度を示す。太陽光発電システムの生産増加に伴って増減の影
響をプラス(+)とマイナス(-)で右側に表示し、寄与の大きい部門はセルの背景色を
濃淡(濃い方が大きなインパクト)で表現している。既存の産業部門については2000(平
成12)年度の実績値を使用しているが、新規に設定した太陽光発電システムに関連する部
門は、先述のコスト構造分析の結果を参考にして推計している。ただし、不明部分は空白
となっている。
太陽光発電システムは「電気機械」が主体となり、太陽電池は「その他の電気機器」の
「その他の電気機械器具」に含まれている。周辺機器は太陽光発電システムの一部として
「その他の電気機械器具」に含めているが、その主要部品は「重電機器」の「開閉制御装
置及び配電盤」、「その他の電気機器」の「配線器具」、「半導体素子・集積回路」の「半導
体素子」(インバータ)であるため、それらの実績値を示している。主要な素材は「非鉄金
属」に含まれ、太陽電池のシリコンや化合物半導体用の希少金属、およびモジュール化の
電極材料は「非鉄金属精錬・精製」、モジュールのアルミ枠や電線ケーブルは「その他非鉄
金属製品」に該当する。
https://www.esri.go.jp/jp/prj/hou/hou031/hou31-2-3.pdf