長野通運がメガソーラー参入 本社倉庫に太陽光パネル
昨年7月に再生可能エネルギー固定価格買い取り制度が導入されて以来、大規模太陽光発電所(メガソーラー)事業に参入する動きが長野県内でも広がっている。買い取り価格が1キロワット時当たり42円と高く設定されたことが大きな要因だ。県内の物流会社「長野通運」(宮崎一治社長)も3月の売電開始を目指し、長野市稲里町の本社倉庫屋上に太陽光パネル約8千枚を設置して準備を進めている。
「化石燃料を使って輸送サービスを提供する企業として、環境への負荷低減や保全への取り組みは欠かすことができない社会的使命だ」と宮崎社長。夏の電力需要ピーク時への貢献を狙って昨年春頃からメガソーラーの導入を検討してきたが、事業化を正式決定に至らせたのは「42円」という買い取り価格だった。宮崎秀夫専務は「業界の経営環境は厳しく、これまでは赤字を覚悟してまで事業化には踏み切れなかった」と明かす。
計画によると、5棟の倉庫のうち4棟の屋根合わせて約1万3200平方メートルの広い屋根いっぱいに太陽光パネルを敷き詰める。出力規模は約1・5メガワットで年間発電量は一般家庭約350世帯分に相当する約160万キロワット時を見込んでいる。
設置に伴う設備投資額は約4億4千万円で、売電収入は年間約6300万円と試算する。発電した電力は全量を中部電力に供給する。また設置するパネルは、価格面では外国製品に比べて割高だが、維持補修なども考慮して信頼性の高い国内メーカー製とした。
宮崎社長は「地面に直接パネルを設置して、二酸化炭素を吸収する植物が生える空間を奪うより、他に利用法がない倉庫の屋根に敷き詰めた方が温暖化防止に貢献する」と屋根活用の利点をアピールする。パネルが遮熱効果も果たすため、食品を一時保管する倉庫内の空調費節減の効果も生まれる副次的なメリットも期待できるという。
https://sankei.jp.msn.com/region/news/130205/ngn13020518530004-n1.htm