172万USドルの住宅太陽光を設置したラオス企業
サンラボブ・ルーラル・エネルギー社が創業してから10年。ラオスの一地方に展開する再生可能エネルギー発電事業者から国際的企業に、成長を遂げたことは疑いようもない。
世界銀行の農村電化プログラムのもと、2009年時点で6,000件以上、実に約172万USドル相当におよぶ住宅用太陽光発電システムをラオス国内に導入したことで、同社は近隣諸国にも太陽光発電システムの普及の可能性があることを示唆した。
その結果、同社は2011年3月、カンボジアの400以上の非電化農村に、12,000件の太陽光発電システムを導入するという世界銀行の融資契約を獲得したのだ。これはカンボジアにとっては過去最大となる太陽光発電導入プロジェクトだ。
導入しやすい製品を
このプロジェクトにおいて、サンラボブ社は調達と施工を担当し、カンボジアの太陽光発電事業者カムワークス(Kamworks)が協力企業として事業を進めることになった。
設置する住宅用太陽光発電システムは、国際的な品質基準を満たし、太陽光発電モジュール(30W型、50W型)、架台、蓄電池、バッテリーボックス、充電コントローラ、ブレーカー、照明器具2点がパッケージ化されたものだ。さらに、システムには住民が家電製品を利用できるよう、直流のコンセントが2つ備えられている。
導入に際して、住民へはシステムの操作方法に関する指導や、使用マニュアルが与えられた。
世界銀行からの支援のほか、サンラボブ社の顧客となる住民たちも、システムの設置費用を4年間に分けて支払うことになっている。50Wのシステムなら月額4.80USドル、30Wのシステムなら月額3.30USドルだ。
地方電化基金(Rural Electrification Fund, REF)の管理責任者、イアン・タル氏によると、2012年7月時点で、計12,000件の住宅用太陽光発電システムのうち、現在10,000件以上がラタナキリ、プレアビヒア、シェムリアップなど計7地域にわたり設置されているという。
これらの地域には、整備された道路がない、または道路そのものが無い場合もあり、資材運搬は困難を極めた。このプロジェクトのために、悪路に慣れた運転手、丈夫なトラックを調達せねばならなかった。
「全体的に見て、住民は生活を向上させるこのシステムに大変満足しています」。タル氏いわく、彼らはこの設備が設置されるまでは、灯油ランプを使わなければならなかったのだという。
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