太陽光発電のデメリット・注意するべきこと

コストが高い


原発問題や環境に対する配慮から太陽光発電の導入を検討している方は増えています。国や地方自治体からの補助金、そして電気の買取制度など設置を後押しする環境にもなっています。太陽光発電を設置すると、昼間の電力は大幅に節約できます。自宅での発電量が使用量を上回ればその分は売ることができます。また、オール電化やエコキュートなどの電気温水器と組み合わせることで、より一層経済的にもお得になります。太陽光発電は無尽蔵のエネルギーではありますが、まだ、まだ発電コストが高いと言えます。太陽光パネルの価格もここ1~2年で急激に下落していますが、それでも1kwあたり40万円~50万円と言われています。一般的な4人家族での場合は4kwが設置の目安とされていますから、160万円~200万円が必要になります。


天候や環境に左右される


「無尽蔵の太陽光をエネルギーに変える。」これが、太陽光発電のキャッチフレーズです。Co2も排出しませんし夢のような話ですが、現実はそうでもなさそうです。単純に晴れの日ばかりではありません。曇りや雨の日は晴れの日に比べて発電効率が落ちます。曇りの日は晴れの日の30%程度、雨の日は10%程度の発電力になってしまいます。また、太陽光を遮るものが出来たら、当然発電力は低下します。設置後に家の前に大きな建物が立って日光が当たらなくなってしまうこともあります。また、積雪地帯ですと太陽光パネルに雪が積もってしまい、晴れの日でもメーカーの試算通り発電できなくなってしまいます。天候以前に屋根の面積や形状で設置スペースがなかったりと、発電効率以前の問題もあります。


回収に時間がかかる


(導入費用 + 維持費 - 補助金) ÷ (1年間の売電価格) を計算すれば、何年で投下した資金を回収できるかが計算できます。1年間の発電量は電力会社の買取価格を42円、自家消費を28円として、6割を売電し4割を自家消費した場合は年間約14万円と見積もる事ができます。
・東京都世田谷区の例
1kw当たりの導入代金が45万円と想定。
維持費はパワーコンディショナー代など30万円と想定。
補助金は国と東京都からの合計で54万円。
1年間の売電価格14万円
(導入費180万円+維持費30万円-補助金54万円)÷年間売電価格14万円=約11年
少し前までは回収期間は20年間とも言われてきましたので、ずいぶんと短くなりましたがそれでも10年以上はかかるということです。また、売電価格も将来どのように推移するかわかりませんし、補助金額も地方自治体によってかなり差ががありますのであくまでも目安として考えておいたほうがよさそうです。


雨漏りする?


「太陽光発電設備を設置したら雨漏りをするようになった!」という事例もすくなくありません。新築時の設置であればあまり問題はありませんが、築年数の多い屋根は経年劣化が起こっている場合がありますので、そこに工事で屋根に穴をあけたり太陽光パネルを設置することによって、破損や雨漏りを誘発することは多いです。太陽光パネルの設置方法も色々ありますが、工事方法によってはメーカーの保障を受けられない場合もありますので、しっかりと事前に確認が必要になります。


保険がきかない?


太陽光発電には多くの場合メーカー保証が10年間付いていますが、災害や落下物などによる偶発的な事故にについては保障の対象外になるこがおおいです。損害保険によってカバーをしないといけないのが現状です。建物に火災保険を付けていれば、太陽光発電は屋根に取り付けられた設備として保険の対象になりますので、「災害」「落下物による破損」の保障が付いていれば保障を受けることが出来ます。(保険契約後の設置の場合は保険会社に通知をして保険の見直しが必要)太陽光発電の寿命が30~40年と言われるなか、メーカー保証は10年だけです。新たな補償、保険制度の確立が早急の課題でしょう。


万が一の停電の時にも使えない?


災害などの万が一の時に自宅で発電した電気をそのまま使えないことを知らない方は以外に多いと思います。太陽光発電システムは停電などで電力の供給が無くなった時に安全性を保つために運転を停止します。この時自動的にに外部からの電力を必要としない自立モードに切り替わればいいのですが、家庭用発電システムにはまだ普及していません。このことを事前に理解しておかないと停電時に手動で切り替えるができなかったり、パワーコンディショナーに付いている自立運転コンセントのいちも分からなず使えないという事態が発生してしまえます。また、自立運転時の供給電力の目安も知っておく必要があります。設置している太陽光発電パネルの枚数に関係なく最大1,500Wです。携帯電話の充電が約5W、ラジオが20W、冷蔵庫の待機電力が約100~600W、電気ポットの湯沸かしが約1,000Wですから、普段通の電気を使った生活はできないと思っていたほうがいいでしょう。当然、昼間でも曇りの日や雨の日であればさらに発電量は低下しますし、夜間は発電できません。


悪徳業者増加中?!


太陽光発電業者による強引な営業やいい加減な設置業務はたびたび社会問題になってきました。
最近は国の補助金のも1kW当たりのシステム価格が 47.5万円以下のものは3.5万円/kWの補助がもらえて、1kW当たりのシステム価格が 55万円以下のものは3.0万円/kWの補助がもらえます。55.1万円以上は国から補助金がでませんので高額な太陽光発電を導入しないようにする安全効果があります。
国から補助金がもらえることを知ってさえいれば問題はありませんが、一人暮らしのお年寄りのうちに営業マンがやってきて強引なセールスをしていくという事例もあります。最近の一番の太陽光発電の問題点は設置業者の急増です。長引く不景気で従来住宅関連では食べていけなくなっている業者が次々と太陽光発電業界に参入してきています。それによって価格競争が発生して相場が安なることはいいことですが、工事の日数を減らしたり取り付け金具を減らしたり、安全確認をおこたるなど問題が発生しています。
悪徳業者に騙されないようにするには、一社でも多くの見積もりを取って冷静に比較検討することです。
下記の「太陽光発電一括見積もりサイト」は地域にもよりますが、1サイトで4~5社紹介してくれます。
地域登録制ですから同じ業者もありますし、スグに自分の希望と合わない業者も出てきますから、一度に3つのサイトに申し込んで、ゆとりの比較をすることをおススメします。


壊れたら粗大ごみ?


太陽電池の寿命はモーターなどの動く部分もないので比較的長いと言えます。ソーラーパネルでは先駆者のシャープが最初に設置した灯台用太陽電池はまた動いているようです。1966年の設置ですから40年以上稼働しています。このことからも太陽電池は長寿であることがわかります。20年~30年あるいはそれ以上と言われていますが、実際に使えなくなるのは太陽光パネルのセルではなくて、アルミフレームの腐食、セルを封入するEVAの変色などセル以外の部分です。ガラス・アルミ・セル・EVAといった複合構造である太陽光パネルはリサイクルに手間がかかります。太陽光パネルは長年の風雨にさらされることを前提として作られていますので、リサイクルにはまだまだ課題山積です。CO2を排出しない地球にやさしい太陽光発電であるはずが、廃棄という別の環境問題を抱えてしまっています。今後のリサイクルを前提とした太陽光発電の開発が望まれるところです。