太陽光発電の補助金金額の推移について

2013年01月11日 10:44

 太陽光発電システムは大きく分けて住宅用と産業用に分類され、発電量が10kW未満の住宅用太陽光発電システムは国や地方自治体などの補助金対象となります。国や地方自治体などによる様々な助成金制度などがありますので、賢く利用することで初期費用を抑えた導入が可能です。

 日本における住宅用太陽光発電の利用が始まったのは約20年も前に遡りますが、販売が開始された当初の年間設置数は少なく一般家庭にとって馴染みの薄いものでした。しかし、その後少しずつ設置数を増やし、平成21年に太陽光発電補助金制度が復活したことや、売電価格が引き上げられたことを受けて導入する人が急増しています。

 

平成21年度〜22年度の補助金状況

【補助金額】 7万円/Kw  ※1kWにかかるシステム価格の一律条件が設定されました

 平成21年度の申請件数は13万件以上で、想定は8万件でしたが、11月にはその数を上回り当初の予算枠に達したため、補正予算によって申請枠をさらに5万件追加しています。最終的には補正予算の想定申請数も上回る結果となりました。

 平成22年度の制度改正では、前年度の予想以上の反響から約2倍の予算を投入し、システム価格上限の引き下げ、募集期間縮小などが行われました。
 前年度に好評だったこと、想定よりも発電量の大きいシステム設置が多く見られたこと、予算確保の重要性などから、補助金額は据え置いたもののシステム価格の引き下げを行っているのが特徴的です。この年の想定申請数は15万件、募集締切時には約14万件の申請があり、その後の補正予算分と合わせた申請数は約19万件となりました。補正予算分では、前半申請数の伸びが停滞しましたが、後半からハイペースとなり、募集期間終了間際の申請が急増したことからも、制度の認知や関心の高まりが見られます。

 

平成23年度の補助金状況

【補助金額】 4.8万円/Kw

 平成23年度には、補助金額の引き下げやシステム価格上限の更なる引き下げが行われています。補助金の減額があったものの募集開始から申請数は順調に伸び、途中からのハイペースな申請増加に伴い11月に予算が底をつくという事態ともなりました。
 その時点での申請数は約16万件、その後の補正予算分ではさらに16万件の申請枠が追加され、23年度の最終的な申請数は30万件を超える程となりました。募集終了となる3月には補正予算分の想定数の2倍もの申請受理数があり、ラストスパートの追い上げが著しかったのが特徴的です。

 

平成24年度の補助金状況

【補助金額】 3万円もしくは3.5万円/Kw 

 そして、平成24年度4月19日より開始された新制度においては、システム価格の条件がかなり厳しくなっている点と、補助金額の更なる引き下げがこれまでと大きく異なります。今まではシステム価格の上限は一律でしたが、今回より47.5万円以下と55万円以下の2種類が設けられ、システム価格によってはさらに受給できる金額が少なくなっています。
 この結果、今回の改正では発電量kWに対しての補助金額は3万円〜3.5万円と、制度が復活した21年度と比較するとかなりの差があります。しかしながら、11月末の統計では既に約19万件もの申請があり、減額などに大きな影響を受けることなく太陽光発電の導入件数の増加が見られます。

 この背景には、地球温暖化などの環境問題や、原子力発電などのエネルギー問題から再生可能な新しいエネルギーへの関心の高まりや、テレビや雑誌など身近な情報源から太陽光発電にかかる情報が入手しやすくなったことなどがあるといえます。また、県や市町村などの地方自治体では異なった助成金制度を設けているため、これらを利用して追加受給できるようになったのも設置増加の理由といえるでしょう。
 国の助成金の推移からも分るように、受給できる金額は年々減る一方、申請条件は厳しくなる傾向にあります。慌てる必要はありませんが、補助制度のあるこの機会を逃さず、地方自治体の助成金制度なども賢く利用しながら太陽光発電に乗り換えるチャンスを有効に使いましょう。

 

https://www.solar-reform.jp/column/column049.html